航海士
三等航海士
白水 隆
海上勤務
入社2年目
RYU SHIROZU
※所属部署・入社年次・記事内容は、取材当時のものです。
航海士の仕事
航海当直
一等~三等航海士が分担し、航路の安全確認、見張りを行う。双眼鏡やコンパス、海図やレーダーと共に五感をフルに使いながら、24時間運航する船が無事に港に着くようにする、航海士の業務の中でも特に重要な仕事。
荷役作業
船への貨物の積み込みや、荷下ろしを行う重要な作業。原油など危険物の積み揚げを行うこともあり、1つのミスで重大な事故になりかねないため、慎重に慎重を重ねて行う。
担当設備の保守点検
三等航海士は、消火・救命設備の保守点検を担当。設備に不具合がないか、正常に作動しているかを確認。不具合があった場合は一等航海士と相談をしながら自身で対処法を検討し、保守作業を行う。
船内用品の在庫管理・発注
船内は25~30名ほどのクルーで構成され、チームで仕事にあたっている。船体整備に必要な資材やペイントは勿論ながら、必要な生活用品を切らさないように在庫管理・発注をし、快適に過ごせる環境を維持する。
CAREER
学生時代
チームスポーツである水球をしており、部活動の先輩が機関士になったことがきっかけで船乗りという職種に興味が湧く。大きな船を少数精鋭のチームで航海させることに惹かれ、水産系の学校に進学。
入社〜現在
グローバルに活躍できる外航海運業界を中心に就職活動を行う。コロナ禍での就職活動となったが、オンライン上でも川崎汽船の風通しの良い社風を感じ入社を決意。入社後は2回の乗船を経て、三等航海士として働く。
今後
川崎汽船が運航する多様な船種に乗船し経験を積んでいきたい。海上勤務、陸上勤務のローテーションを生かし、どこにいてもマルチに活躍し、海運業界を担っていける人材になることが目標。
オンラインでも感じ取れた、
社員同士の風通しの良さ
船乗りという仕事を知ったのは、高校生の時。水球部の先輩が機関士になり、話を聞いたことがきっかけでした。その先輩は外航海運業界に進み、世界各地を巡りグローバルに働いており、その姿がカッコよく興味が湧きました。船員が1つのチームとなり「巨大な船を安全に運航する」という目標に向かっていく。その姿がチームスポーツである水球と重なり、魅力を感じました。
就職活動を始めると、多くの人の生活を支えている仕事であることも分かり、世界を舞台にするスケールの大きさと職務の重要性にますます惹かれていきました。ですが、私が就職活動をしていたのはちょうどコロナ禍。対面での会社訪問や説明会への参加ができず、社風を掴むことが難しい時期でした。そんな中、オンラインで行われた川崎汽船の会社説明会では、社員の方が学生と密にコミュニケーションをとったり、話やすいよう企画も用意したりしてくれました。オンライン上でもフランクで仲の良い雰囲気を感じ取れ、絆を感じたことが入社のきっかけに。今、実際に入社してみてオンラインで感じたこととのギャップはなく、風通しの良さを実感しています。
難所の航路を、
船員一丸となって越えていく
入社してからわかったことは、川崎汽船には教育熱心な方が多いことです。初乗船は三等航海士の先輩と一緒だったのですが、何もわからず戸惑う私に、船内を歩きながら細かく機器のことを教えてくれました。他の上司もコミュニケーションを多くとってくれて、わからないことがあればすぐに聞ける環境、聞きやすい関係性を作ってくれました。
2回目の乗船は初乗船時と同じ、マラッカ・シンガポール海峡という難所を通る航路だったため、初回で学んだことを生かそうと休暇期間中から準備をしました。この航路は、航路自体が狭く浅い海域で、航路がずれてしまうと座礁する恐れがあります。交通量も多く、大小さまざまなサイズの他船も入り乱れます。船は何百億円という会社の資産で、貨物も莫大な量の原油を積んでいたため、1つのミスが大きな損失に繋がってしまう緊張感があり、航路通過前の打ち合わせでは、ピリッとした空気が流れました。みんなで集中し、無事に難所を越えた時は、なんとも言えない安堵感と深い達成感、また、その時の、自然とお互いに感謝し合った暖かな空気感が今でも心に残っています。
航海に出れば、
誰もがプロフェッショナル
2回目の航海から三等航海士として、1人で業務を担当しています。航海に出ると若手もベテランも関係なく、安全に航海するための重要な役割を担っているのだと実感する日々です。万が一、ミスをしてしまった時には周りの先輩方の助けがありますが、「自分の仕事だ」と責任を持って業務にあたることが大切だと考えており、常にプロ意識を持つようしています。というのも、入社してすぐの乗船は先輩がついてくれていたために甘えがあり「プロ意識を持って仕事をしよう」と厳しい声をいただいたことがありました。独り立ちした時にこの言葉の重みを痛感し、以来気を引き締めて業務にあたっています。作業の抜け漏れがミスに繋がることもあるため、私は1週間ごとにスケジュールを立て、タスクを細かく割り振る方法で業務を管理。独り立ち前に一緒に乗船していた先輩三等航海士のやり方を真似させてもらい、それが今の私のスタイルになりました。
今後も経験を積み、陸海関係なくマルチに活躍し、海運業界を担う人材になりたいです。近い将来では、航海の難所と言われるパナマ運河、スエズ運河などを経験し、航海士としてのスキル向上も目指していきます。
海上勤務時 01
海上勤務時 02
入社後の経歴
7:00
朝食。しっかり食べ仕事へのやる気を高める。
7:30
朝ミーティング、船員たちと航路の確認。
8:00
船が安全に航海できるように当直業務。
12:00
昼食。ほっと一息。
13:00
書類作成などの業務をこなす。
17:30
夕食、次の当直に向けて準備を整える。
20:00
2回目の当直。航路をしっかり監視。
1:00
船内巡検後、就寝。
7:00
朝食。
7:30
朝ミーティング、今日の業務を確認。
8:00
当直。今日も特に問題なく、安全に運航中。
12:00
昼食。船員たちと歓談。
13:00
船体保守整備を行う。
17:30
夕食。
20:00
当直。航路に異常なし。
1:00
船内巡検後、就寝。
2022年4月〜2022年6月
新入社員研修。乗船勤務に備えた各種研修を受講。
2022年7月〜2022年11月
原油タンカーに乗船。日本を出港し、難所のマラッカ・シンガポール海峡を通過。
2022年11月〜2023年3月
下船し、休暇期間。友人と国内旅行へ。
2023年3月〜2023年11月
原油タンカーに再び乗船。スキル・自信をつけたうえで三等航海士として独り立ち。
DAY OFF
オフの日の過ごしかた
休暇期間中は、家族や友人との時間を大切に過ごしています。これまでは国内のいろいろな場所を旅行してきましたが、今後は海外旅行もしたいです。また、映画を見るなど家でゆっくりする時間も大切にしています。
学生のみなさんへ
就職活動中は、実際に働いている方々と話す機会を大切にしてください。私自身、川崎汽船の社員が親身になって話を聞いてくださったおかげで、学生一人ひとりを見てくれる会社だと感じ、そのあたたかさが入社の決め手となりました。「この会社の一員として働きたい」と心から思える企業を見つけられるよう、頑張ってください。川崎汽船は教育熱心な方が多く、風通しもいい環境のため、成長しやすい企業であると実感しています。