海運ビギナー講座
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国境のない海を舞台に、巨大な船を駆使して、あらゆるものを輸送する海運業界。地球規模のビジネスフィールド、圧倒的なスケール感、そして人々の生活を根底から支えている海運の使命についてお伝えします。
KEYWORDS
海運業界を表す3つのキーワード
#ライフライン
「当たり前の生活」を支えるインフラ
日本の貿易量は年間9億トン以上。その99%以上が海の経路を利用し、船で運ばれています。四方を海で囲まれた島国日本は、海運の存在なくして成り立ちません。衣食住に関わるさまざまな物資や鉄鉱石などの工業原料、原油やLNGなどのエネルギー資源を輸入し、その輸入した原料を加工して自動車などの優れた工業製品を輸出することで日本の経済は回っています。海運は、私たちの社会や生活に欠かせない非常に重要な役割を担っているのです。
顧客
自動車業界
鉄鋼業界
エネルギー業界
化学・繊維業界
商社
小売業界
各種メーカー
運んでいるもの
自動車
鉄鉱石
石炭
石油・原油
LNG
食品
衣料品
家具
家電
穀物
化学品
木材
鋼材
部品
第1次産業の原料・資源から、第2次産業に欠かせない部品や物資、さらには第3次産業に関わる製品に至るまで、ありとあらゆる輸送を海運が担い、まさに産業の基盤となっています。また、あらゆるものを輸送するため、関わる業界の幅、社会接点が非常に広いことも特徴です。世界有数の資源メジャーやオイルメジャー、日本を代表する自動車・鉄鋼メーカーをはじめ、電力・ガス会社、総合商社に加えて各業界のメーカー、リテーラーなど、世界中のほぼすべての会社が私たちにとってのビジネスパートナーとなり得ます。このように生活と密接に紐づいている海上輸送は、世界人口の増加に伴い過去30年間で3倍の規模に拡大しており、今後も世界経済の発展とともにさらなる成長が見込まれています。
世界の主要海上輸送貨物量と世界人口
“K”LINEでは
海運業を母体とする総合物流企業グループとして、人々の豊かな暮らしに貢献することを企業理念に掲げています。その理念のもと、創業以来1世紀にわたり顧客の需要に応じた輸送サービスを提供することで、世界の人々の生活を支えてきました。世界有数の海運会社となった現在、グローバル社会に欠かせない重要なインフラとしてその存在意義はますます高まっています。世界をつなぐライフラインとしての仕事がここにあります。
#ダイナミック
巨大船舶を用いる圧倒的なスケール
世界最大の輸送ツールを用いて、大量の貨物を輸送するというダイナミックなビジネスは、海運業界をおいてほかにありません。船の大きさや輸送量、建造費など目にする数字すべてが桁違いで、実際に港に停泊する巨大な船舶を見上げれば、その大きさに声を失うほどです。また、輸送量が大きくなれば、積み込む貨物の価値も比例して大きくなり、数億円規模のビジネスを日常的に扱うことになります。一人ひとりが担うビジネスの規模をとっても、他業界にはないダイナミズムを感じることができます。
point 01
貨物積載量
アフリカゾウ×約50,000頭分
※オスのアフリカゾウの平均体重6.0t
300,000t
(タンカーVLCC)
point 02
全長
東京タワーx約1本分
※東京タワー333M、あべのハルカス300M
366m
(14,000teu型コンテナ船)
point 03
建造費用
福沢諭吉x300万人分
※大阪市の人口よりも多い諭吉さん
300億円
(LNG船)
“K”LINEでは
全世界で約450隻の船舶を運航している世界最大級の海運会社です。特に「ケープサイズ」と呼ばれる全長300mを超える最大型の船においては40隻以上を運航しており、日本最大の船隊規模を誇ります。また、社員一人あたりの売上高は6.5億円に上り、個々人の仕事のダイナミックさも業界随一です。世界が驚くダイナミックな仕事がここにあります。
#グローバル
ビジネスフィールドは全世界
海運のビジネスフィールドである海に国境はありません。地球上のどのエリアでも自由に商売ができる反面、世界中のライバル会社と競いながら、ワールドワイドにビジネスを追いかけなければならない厳しい世界でもあります。常に世界地図を頭に広げながら、世界各地に散らばる船の動きと貨物需要を捉えて戦略的な輸送を実現していきます。世界のどこかで起きている事象が個々人の仕事に直接影響を与えるため、世界情勢を常に“自分ごと”として捉えることができる点も海運業の醍醐味です。
国際的な視点
海運業界は世界情勢やマーケットの影響を強く受けます。各国が自由貿易を推奨すれば輸送する貿易量が増え、逆に保護貿易が進めば貨物量は減るなど政治方針の影響も大きく、紛争が起きればその地域での輸出入は減少するなど治安リスクもあります。また、船の運航費用である燃料費は油価の変動を、ドルベースで交渉をする運賃は為替の変動を受け、そのわずかな変動により収益が数千万~数億円単位で変わってきます。さらに貨物需要は天候や社会情勢によっても左右されます。常に国際マーケットや世界の動向に目を見張り、広い視野を持って先を見通す力が求められます。
世界とつながる業務
世界各地の顧客・同僚やパートナー企業、そして船長や乗組員とメール・電話を通じて日々やり取りをしますが、常に海外と接点を持つ海運業界では英語でのコミュニケーションが基本となります。契約書、貿易書類、マーケットデータから船のスペックに至るまで、英語を使用する機会が多いです。また、時差を意識しながら仕事をすることが日常となり、担当している船が日本の夜中に地球の裏側で積み込み作業をしていたり、各地域のビジネスアワーに合わせて日本の夕刻から交渉を開始したり等、まさに地球を俯瞰しながら仕事をしており、日本に居ながらも海外とのつながりを感じられることも魅力です。
“K”LINEでは
取り扱う輸送貨物は100%貿易物資であり、日本の輸出入のみならず海外から海外への輸送も手掛けています。海外出張の機会はもちろん、5人に1人の社員が海外で駐在として活躍しています。拠点数は世界24ヶ国、40箇所以上、その数はグループ会社を含めれば、40ヶ国100ヶ所以上に上ります。世界を舞台にしたグローバルな仕事がここにあります。
地球を舞台に働く、唯一無二の仕事
海運の歴史は古く、その起源は紀元前に遡るといわれています。ヨーロッパでは海を制した国が覇権を握るといわれ、その技術を競い合いアメリカやインドといった新世界を切り拓いてきました。大小さまざまな島によって形成された海洋国家、日本にとってもその発展と海運の歴史は切り離せません。いつの世も、広くどこまでも続く水平線に人々は夢を見て胸を熱くしました。
今日も地球を縦横無尽に駆け巡る船がいます。人々の生活を支え、社会を潤し、文化を育む使命を持って、世界をつなぐ架け橋となるために。船出のとき、人生をかけた熱い航海があなたを待っています。