オペレーション
唐 堂
油槽船グループ
入社3年目
TANG TANG
※所属部署・入社年次・記事内容は、取材当時のものです。
オペレーションの仕事
運航プラン作成・航海指示
輸送契約と、担当船の現在位置や保有燃料量等を考慮して、最適な運航プランを策定。顧客要望を満たし、コストを抑える効率的な運航を目指す。船舶を動かす船長に運航プランの内容を伝えることも重要な仕事のひとつ。
運航管理・緊急対応
船長から送付されるレポートを確認して、航海指示に沿って運航されているかをチェックする。トラブルが発生した際は、社内常駐の海技者と連携して対応。最新の運航スケジュールの社内各所への共有も担当する。
港へ入港連絡・荷役指示
寄港前に港湾代理店などの関係者へ船の到着予定を知らせる。入港までには期間を要することもあり、滞船期間の把握が大切となる。複数の港で貨物を揚げる場合は、顧客要望に従って作業を行うための確実な荷役指示が求められる。
収支分析・運航プラン再検討
航海の終了後は、一連の航海内容を振り返りながら運賃・運航コストを計算し、収支を把握。その上で、航海前の収支予想と比較分析を行い、次回の運航プランへと反映することで最適な運航を追求する。
CAREER
学生時代
日本が誇る質の高いモノやサービスを世界に届けたいという思いから、海運業界を志望。常に新しい仕事に挑戦できる環境を探す中で、川崎汽船に魅力を感じ入社。
入社〜現在
油槽船グループ油槽船・LPG船チームに所属し、VLCCとVLGC船のオペレーション及び収支管理を担当。オペレーションを通して、外航海運の仕組み及び船商売の特性について日々勉強中。
今後
海運会社に入ったからこそ、海運ビジネスの一連の流れを体験したい。またゆくゆくは、営業チャータリング、そして海外支社で外地から世界を相手に仕事をしてみたい。
日本の質の高いサービスを
世界に広めるために、
すべての産業に関わる
海運業界を志望
中国生まれ日本育ちの私は、日本のモノやサービスの質が非常に高いと実感し、その良さを世界に広める仕事に携わりたいと考えていました。また、小さい頃から好奇心旺盛だったので、常に新しい仕事に挑戦してキャリアを築きたいと思い、自己成長できる会社を軸に就職活動をしていました。中でも海運業界を選んだ理由は、日本のさまざまな強みを世界に届けることができると思ったから。国際的に日本のモノやサービスの質の高さが認知されている中、日本のすべての製造業を支えているのは海運であり、海外勤務のチャンスも多いこの業界は魅力あふれるものでした。
川崎汽船の説明会に参加した際は、自由闊達に仕事ができる環境で、社員一人ひとりが伸び伸びと働いていることが伝わってきました。また、最終面接でも自然体でコミュニケーションを楽しむことができました。そして、大学時代にチェス日本代表だった私は、際どい局面で幾度となく直感を信じてきたこともあったので、最終的には「川崎汽船なら自分らしく活躍できる」という直感を信じて入社を決意したのです。
東京タワーほどの大きさの
タンカーをオペレーション。
指示の一つひとつが与える
影響の大きさを実感
現在はタンカーグループで原油タンカー・VLCCとLPGタンカー・VLGCのオペレーションや収支管理を担当しています。航海一つひとつの顧客のオーダーに沿って、本船を積地から揚地まで時間通りに運航管理しています。航海中は思わぬトラブルがつきものですので、管理会社や代理店、ブローカーなど関係者に都度連絡し、配船に支障が出ないよう問題解決しています。各担当船の収支管理では、社内の管理部門と密に連携して進めています。
海運業界の仕事の魅力は、何といってもスケールの大きさ。特にVLCCは原油タンカーの中で最も大きく東京タワーとほぼ同じ、全長300mを超えています。今でも訪船した時はタンカーの大きさに思わず圧倒されるほど。自分の指示一つで与える影響の大きさを実感し、気が引き締まるものです。オペレーションの仕事は本船や現場とのコミュニケーションが多く、船に関する細かい知識も要求されるため、常日頃から勉強が欠かせません。そして、業務の中で日本語や英語、中国語を使用する機会が多々あるので、日々刺激を受けながら仕事に取り組めています。
顧客のニーズに応えるために、
全力を尽くして航行をサポートする
仕事のポリシーは、顧客のニーズに完璧に応えることです。そのためにも仕事の効率化をはかり、優先順位を整理した上でミスなく取り組むことを意識しています。また、小さいことでもできるだけ顧客の元に足を運び、頻繁にコミュニケーションをとることで関係性を強め、顧客から気軽にご相談いただける存在になることを目指しています。
印象に残っている仕事は、入社1年目の時に経験したイランでの原油積み航行。当時のイランはアメリカの経済制裁対象にあって、日本の船社は約5ヶ月にわたってイランへの寄港を断念していたのですが、イラン油社と取引している顧客としては何としても原油を輸入したい状況でした。私の担当船ということもあり、経済制裁に触れないよう原油を積むための調査を上司とともに毎日実施し、日本の船社として経済制裁後初のイラン原油輸入を成功させました。非常に難しい案件ではありましたが、顧客の要望に応えられたことに大きな達成感を味わえましたし、海事新聞に当件のニュースが掲載された際は格別に嬉しかったです。配船が決まった夜、顧客と急遽祝杯を挙げた時のビールは、人生で一番美味しいものでした。
SCHEDULE 01
SCHEDULE 02
8:05
起床。試行錯誤の結果、この時間がギリギリのライン。
8:55
出社。夜中に届いたメールをチェック。モンスーンの影響でインド洋の航行が遅れそう?!
10:30
社内他部署と打ち合わせ。コロナの影響で世界各港に特殊制限が設けられている中、船を止めないために事前に対策を練る。
12:00
先輩と昼食。午後は顧客訪問があるので、今日は軽めに蕎麦かな。
13:30
顧客訪問。移動中にプレゼン内容の最終確認。ドキドキ。
16:00
シンガポールのタンカー部門とテレビ会議。シンガポールのマーケット情報を入手。
17:00
ロンドンのビジネスタイム開始。朝イチで申し訳ないけど、ペンディング案件のリマインド/プッシュをさせてもらう。
19:00
明日もあるので「一杯だけ」、しかし気付けば「いっぱい」飲んでしまっている。
8:00
もはや何度目か分からないスヌーズで起床。昨日はどうやって帰ったんだっけ。
9:00
出社。レッドブルを流し込みながらメールチェック。各担当船の動静確認。
10:30
エンジントラブル発生?!管理会社に至急故障原因と対処法を問い合わせる。顧客への連絡も忘れずに。二日酔いから一気に醒める。
12:30
トラブル対応が落ち着き、部署の先輩と遅めの昼食へ。今期のプロ野球について語り合う。
14:00
顧客に午前中のトラブルを直接ご説明しに訪問。会社が近いし、頻繁に足を運んだ方が顧客のニーズを理解できる。
15:30
帰社。早速中国の代理店から造船所の最新稼働情報が届く。中国語で軽くバトル・・・
16:00
チーム内ミーティング。抱えているヘビーな案件をチーム内に共有し、ボスの耳に入れておく。
18:00
焼酎好きな顧客との会食。ウコンの力を借りて準備万端。
DAY OFF
オフの日の過ごしかた
大学時代の友達と遊びに行ったり、飲み会をしたり、とにかくしっかり遊ぶようにしています。最近はポーカーにはまって、土曜朝に韓国に飛び、カジノでプレイして日曜夕方に戻る弾丸旅行を敢行することも。とにかく社会人の休日は貴重ですぐに終わってしまうので、無駄にしてしまうことのないよう、一生懸命遊びます!
学生のみなさんへ
気になる会社や気になる仕事があるときは、必ず直接足を運び、生の声を聞いたり現場の雰囲気を感じたりするようにしてみてください。特に海運会社のような、日常生活ではあまり触れる機会のない業界では、文字だけで仕事内容や会社の特徴を理解するのは難しいものです。そこで働く人に会って、自分と合うか合わないかをしっかりと感じ取るようにすれば、きっと本当に行きたいと思える会社が見つかるはずです。一生に一度の新卒就活、悔いのないように走り回りましょう!